最初の4手で何が決まるのか:灯りのチェスで序盤を3通り試す練習問題
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白が2手、黒が2手を指した時点で、盤の上には何が残るのでしょうか。駒はほとんど初期位置のままで、取り合いも起きていません。それでも、ビショップの通り道が開いている人と、ポーンの陰で動けない人が分かれます。この差を言葉の印象ではなく、マスの数で見るのがこの記事の練習問題です。 使うのは、灯りのチェスの「同じ画面でのふたり対局」と「駒の動き方ガイド」です。次の3つの出だしを、それぞれ4手だけ指して止めます。 題名の問いに先に答えておきます。4手で決まるのは勝敗ではありません。決まるのは、どのビショップが開いた斜めを持ち、どのビショップが自軍のポーンで塞がれているかという「通り道」です。この記事は答えを読んで終わるのではなく、読者が盤で数えて確かめる形にしています。
この記事の目次
数えるものを決める:4手の意味と記録の単位
「4手」は、白2手と黒2手の計4手(半手で数えると4つ)とします。4手を指した直後は白番です。以降の「局面」はすべてこの時点を指します。
数える対象は「ビショップ1枚が次に動ける先のマス数」です。相手の駒を取れるマスは含め、自軍の駒があるマスは含めません。王手の有無などの細かい合法性は、この局面では影響しないので気にしなくて構いません。黒のビショップは黒番ではありませんが、白がもう1手指しても通り道は変わらないものと見なして、空きマスで数えます。
最初に基準を確認します。初期局面で白が指せる手は全部で20手(ポーン16手、ナイト4手)で、ビショップは1手も動けません。どの駒も自軍のポーンの後ろにいるためです。ビショップの数がゼロから始まることを覚えておくと、4手後の差が見えやすくなります。
準備は次のとおりです。
- 灯りのチェスを開き、同じ画面でのふたり対局を始めます。
- 出だしの手を順に指します。白も黒も自分で指します。
- 4手を指したら、棋譜の表示で手順が正しく並んでいるか確認します。
- 局面ごとに、次の4枚のビショップの動き先を数えます。白のc1とf1(f1から動いていれば現在の位置)、黒のc8とf8(同様に現在の位置)です。
- 数える前に自分の予想を紙に書き、その後、駒の動き方ガイドで動き先を確かめます。
予想と数が食い違ったら、盤の配置が出だしの指定どおりになっているかを先に疑います。手順を間違えている場合が多いからです。やり直しは新しい対局で始めるのが確実です。一手戻す機能がふたり対局で使えるかは、作品を開いて確かめてください。
問1:出だしAで、開いた斜めはどこにあるか
出だしAの4手後の配置を、言葉で示します。
- 白:キングe1、クイーンd1、ルークa1とh1、ビショップc1とf1、ナイトb1とf3、ポーンa2、b2、c2、d2、e4、f2、g2、h2
- 黒:キングe8、クイーンd8、ルークa8とh8、ビショップc8とf8、ナイトc6とg8、ポーンa7、b7、c7、d7、e5、f7、g7、h7
- 手番:白
問:4枚のビショップのうち、動けるのはどれですか。動けるものは何マス動けますか。
予想を書いてから、ガイドで確かめてください。考え方のヒントは、ポーンが「前へ出た列」に注目することです。e4とe5の両ポーンが動いたため、f1とf8のビショップの前にある斜めが空きました。
答え合わせです。
- 白f1:e2、d3、c4、b5、a6の5マスです。
- 黒f8:e7、d6、c5、b4、a3の5マスです。
- 白c1と黒c8:d2とd7のポーンが動いていないので、どちらも0マスです。
出だしAは、キングの側(e列の右)のビショップだけが両軍とも解放された形です。左右対称で、片方が有利という差はまだ出ていません。「4手で決まったのは、どちらも片方のビショップだけ開いたこと」と読めます。
問2:出だしBで、閉じたビショップを探す
出だしBの4手後の配置です。
- 白:キングe1、クイーンd1、ルークa1とh1、ビショップc1とf1、ナイトb1とg1、ポーンa2、b2、c4、d4、e2、f2、g2、h2
- 黒:キングe8、クイーンd8、ルークa8とh8、ビショップc8とf8、ナイトb8とg8、ポーンa7、b7、c7、d5、e6、f7、g7、h7
- 手番:白
問:4枚のビショップの動き先を数えてください。もっとも少ない1枚はどれで、なぜ少ないのでしょうか。
答え合わせです。
- 白c1:d2、e3、f4、g5、h6の5マスです。d2のポーンが d4へ進んだので、斜めが開いています。
- 白f1:0マスです。e2のポーンがまだ動いていません。
- 黒f8:e7、d6、c5、b4、a3の5マスです。e7のポーンがe6へ進んだためです。
- 黒c8:d7の1マスだけです。
黒c8が1マスなのは、d7のポーンがd5へ進んで斜めの一部が空いた一方で、すぐ先のe6に自軍のポーンが立っているからです。反対側のb7にも自軍のポーンがあります。出だしBは、白は c1 が開き、黒は c8 が閉じるという非対称を、4手でつくります。
ここからが応用問題です。黒c8の動き先を増やすには、どのポーンを動かせばよいでしょうか。 盤を見ながら考えてください。ヒントは、c8の左下の斜めにあるb7のポーンです。このポーンが動くと、b7とa6が動き先に加わります。実際に指すかどうかは別として、「どのポーンが壁になっているか」を特定する練習になります。
問3:出だしCで、長い斜めの先に何があるか
出だしCの4手後の配置です。
- 白:キングe1、クイーンd1、ルークa1とh1、ビショップc1とg2、ナイトb1とg1、ポーンa2、b2、c2、d2、e2、f2、g3、h2
- 黒:キングe8、クイーンd8、ルークa8とh8、ビショップc8とf8、ナイトb8とf6、ポーンa7、b7、c7、d5、e7、f7、g7、h7
- 手番:白
問:白g2のビショップは何マス動けますか。その斜めの先には何がありますか。また、黒の2枚のビショップはどうでしょうか。
答え合わせです。
- 白g2:f3、e4、d5(黒ポーンを取れる)、h3、f1の5マスです。h1はルークがいるので含みません。
- 白c1:d2のポーンが動いていないので0マスです。
- 黒c8:d7、e6、f5、g4、h3の5マスです。d7のポーンが動いたので、斜めが端まで空いています。
- 黒f8:e7とg7に自軍のポーンがあるので0マスです。
出だしCでは、白のg2からd5へ向かう長い斜めが、黒のd5ポーンで止まっています。Nf6はそのd5を守る位置にいます。白は斜めを使って圧力をかける形で、黒は中央のポーンを支える形になっています。この「ビショップがポーンを狙い、ナイトが守る」という関係は、数に出ない部分です。
並べて読む:数の合計と、数に出ない部分
3局面の結果を表に並べます。自分の記録と照らし合わせてください。
- A、白の開いた駒:f1(5)、白のビショップ合計:5、黒のビショップ合計:5、閉じた駒:白c1、黒c8
- B、白の開いた駒:c1(5)、白のビショップ合計:5、黒のビショップ合計:6、閉じた駒:白f1、黒c8は1マス
- C、白の開いた駒:g2(5)、白のビショップ合計:5、黒のビショップ合計:5、閉じた駒:白c1、黒f8
合計だけを見ると、3局面にほとんど差がありません。出だしBでは黒のほうが1マス多いくらいです。ここが大切な点です。マスの数が同じでも、どのビショップが開いたか、開いた先に何があるかで意味が変わります。
数に出ない部分を、記録欄に1行ずつ書き足してください。
- Aでは、f1の斜めの先(b5やc4)に何があるか。
- Bでは、c1の斜めの先(g5)で、黒のどの駒と向き合うか。
- Cでは、g2の斜めの先(d5)を黒がどう守っているか。
起こりやすい誤りも挙げておきます。
- 取る手を数え忘れる。Cのd5は、ポーンがいても動き先に含みます。
- 自軍の駒があるマスを数える。Cのh1は含みません。
- 白番の視点で黒のビショップを数え、黒番の局面と混同する。数える前に、先に「空きマスで数える」と決めておきます。
- 4手の局面で優劣を断定する。この記事で確かめたのは通り道の形であり、勝ちやすさではありません。
次の行動
灯りのチェスのふたり対局で、A、B、Cを順に4手ずつ指し、各局面で4枚のビショップの動き先を数えてください。予想を先に書いておくと、ガイドの表示と照らしたときに自分の見落としが分かります。その後、同じ出だしでCPUの相手と指し、4手目以降に自分のビショップがどう動くかを棋譜表示で見返すと、通り道の差が実際の手にどう響くかが見えてきます。


