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箇条書きのメモを連絡文に変える:AIに接続関係と主語を補わせる4手順

AIを使いこなす

執筆にClaudeを使用しています。

色違いの付箋を貼った箇条書きメモと、その項目を線でつないで文章にしていく下書き用紙が机に並び、手が赤鉛筆で一か所に丸を付けている俯瞰の場面。
記事の内容をもとに制作したAI生成イメージです。実際の製品画面や検証結果の写真ではありません。

箇条書きのメモをそのままAIに「文章にして」と頼むと、項目が「、」でつながっただけの文になることがあります。箇条書きには、項目同士の理由・順序・主従と、各項目の主語が書かれていません。AIはそれを推測するしかなく、推測が外れると読み手が迷う文になります。 対処は、次の4手順に整理できます。 1. 宛先と目的、相手にしてほしいことを先に渡す 2. 項目同士の関係(理由・順序・条件・補足)に人が印を付ける 3. 主語が不明な項目は、AIに推測させず質問させる 4. AIが補った箇所を一覧で出させ、人が確認する この記事の例文と依頼文は、考え方を示すための説明用の例です。実際にAIへ入力して得た出力ではないので、実際の結果は使うAIや言い回しによって変わります。

この記事の目次
  1. 手順1:宛先・目的・求める行動を先に渡す
  2. 手順2:項目同士の関係に印を付ける
  3. 手順3:主語が不明なら推測させず質問させる
  4. 手順4:補った箇所を一覧させ、人が確認する
  5. 補う前後を比べる例文セット(説明用の例)
  6. 使い始めるときの順番

手順1:宛先・目的・求める行動を先に渡す

メモだけを渡すと、AIは「誰に何をしてほしい文なのか」が分かりません。一番伝えたいことは何かという主従は、次の情報を渡すと決まりやすくなります。

  • 宛先(例:同じチームのメンバー)
  • 目的(例:定例会議の日程変更を知らせる)
  • 相手にしてほしいこと(例:金曜までに出欠を返信する)
  • 文体と長さ(例:丁寧語、5文以内)

OpenAIのヘルプ記事「プロンプトエンジニアリングのベストプラクティス」(イタリア語版を確認しました)は、望む文脈・結果・長さ・形式・文体をできるだけ具体的に書くよう勧めています。「数文程度で」のようなあいまいな指定より、「3〜5文の段落で」と数で書く例も挙げています。Anthropicのヘルプ記事「My prompt isn't giving me a helpful answer」も、背景を知らない相手に頼む想定で、文脈をできるだけ多く書くことを勧めています。連絡文では、上の4項目がその文脈に当たります。

手順2:項目同士の関係に印を付ける

箇条書きでは、並んだ項目が理由なのか、結果なのか、補足なのかが見えません。ここは書いた本人なら数秒で決められるので、AIに任せず、メモの行頭に印を付けます。

例として、定例会議の日程変更メモを使います。人名や社名は含めていません。

【結論】来週の定例を水曜から木曜に変更
【理由】水曜は会議室が取れなかった
【依頼】金曜までに出欠を返信
【条件】資料は前日までに共有
【補足】議事録は今回から持ち回り

印は5種類で足ります。

  • 結論、意味:最も伝えたいこと、文での表れ方:冒頭の1文
  • 理由、意味:結論の根拠、文での表れ方:「〜ため」
  • 依頼、意味:相手にしてほしい行動、文での表れ方:「〜をお願いします」
  • 条件・順序、意味:守る期限や先後、文での表れ方:「〜までに」「その後」
  • 補足、意味:読み飛ばされてもよい情報、文での表れ方:文末や別段落

印があれば、AIは「会議室が取れなかった」を結論の理由として結びつけられます。印がないと、同じ重さの文が並ぶだけになりがちです。

手順3:主語が不明なら推測させず質問させる

箇条書きは主語を省くのが普通です。上のメモの「資料は前日までに共有」も、誰が共有するのか分かりません。出席者全員なのか、幹事なのかで、相手の動きが変わります。

そこで依頼文に「主語が決められない項目は、補わずに質問する」と書きます。AIが主語を推測して書くと、誤りが自然な文章に紛れて気づきにくくなるためです。

そのまま使える依頼文は次のとおりです。

以下のメモを、同じチームのメンバーに送る連絡メールにしてください。

【宛先】チームメンバー
【目的】定例会議の日程変更を知らせる
【相手にしてほしいこと】金曜までに出欠を返信する
【文体】丁寧な「です・ます」調、本文5文以内

【ルール】
- 行頭の【結論】【理由】【依頼】【条件】【補足】に従い、
  結論→理由→依頼→条件→補足の順に書く。
- 主語が書かれていない項目は、推測で補わず、
  先に私へ質問する。
- メモにない日時・数字・人名は書かない。
  不明な箇所は【要確認:○○】と入れる。
- 文章のあとに、あなたが補った接続語と主語を一覧にする。

【メモ】
(ここに印付きのメモを貼る)

社外の人名や顧客情報を含む場合は、仮名やダミーの語に置き換えてから貼ります。組織で利用ルールがある場合は、それに従ってください。

手順4:補った箇所を一覧させ、人が確認する

出力された文章を頭から読み直すより、AIが補った箇所を一覧で見るほうが、確認すべき点を絞れます。依頼文の最後で一覧を求めているのはそのためです。ただし、一覧に漏れがある可能性はあるので、送る前に本文を一度は通して読みます。

確認の観点は次のとおりです。

  • 接続語(ため、そのうえで、ただし)、AIに任せてよいか:任せてよい、人が見ること:理由と結果の向きが逆になっていないか
  • 主語、AIに任せてよいか:質問への回答をもとに補わせる、人が見ること:実際の担当と合っているか
  • 日時・数字・金額、AIに任せてよいか:補わせない、人が見ること:メモと一字一句一致しているか
  • 謝罪や約束の強さ、AIに任せてよいか:人が決める、人が見ること:「お願いします」が「必ずお願いします」に強まっていないか
  • メモにない事情の説明、AIに任せてよいか:補わせない、人が見ること:作り話が混ざっていないか

修正は同じ会話の中で指示します。「依頼を2文目に移して」「補足は別段落に」のように、直す箇所を具体的に書きます。Anthropicの前出の記事も、期待に合わない回答には、追加の指示や書き直しの依頼で調整することを勧めています。

補う前後を比べる例文セット(説明用の例)

先ほどのメモを、印も主語も与えずに「文章にして」と頼んだ場合の、想定例です。

補う前(つなぎ合わせただけの文)

来週の定例を水曜から木曜に変更。会議室が取れなくて、資料は前日までに共有、議事録は持ち回りで、出欠は金曜までに返信。

読み手は次の点で迷います。

  • 「取れなくて」が、変更の理由なのか不明
  • 資料を誰が共有するのか不明
  • 「持ち回り」の最初の担当が誰か不明
  • お願いごと(出欠の返信)が文末に埋もれている

補った後(手順1〜4を通したもの)

AIからの質問に、人が次のように答えた想定です。「資料は各自が自分の担当分を共有する」「議事録の順番は後日伝える」。

来週の定例会議を、水曜から木曜に変更します。水曜は会議室を確保できなかったためです。資料は、各担当者が会議の前日までに共有してください。出欠を、金曜までにこのメールへの返信でお知らせください。なお、議事録は今回から持ち回りとし、順番は後日お知らせします。

補った箇所は次のとおりです。

  • 「ため」で理由と結論を結んだ
  • 「各担当者が」という主語を、質問への回答から補った
  • 議事録の補足を最後に回し、依頼(出欠の返信)を前に出した

メモにない時刻や場所を、AIが勝手に書き足していないかも見てください。必要なら【要確認:時刻】のような印が残るので、人が埋めてから送ります。

使い始めるときの順番

初めて使うときは、手順2の印付けだけでも試せます。印を付けていくと、メモを書いた本人も気づいていなかった「理由が書かれていない項目」や「主語のない依頼」が見つかることがあります。AIに頼む前にメモの穴を見つけておけば、AIに推測させる部分が減り、確認も楽になります。

出典・参考資料