利用者に伝えること:Webツールの使い方・保存されるデータ・できないことの書き方
AIを使いこなすClaudeで執筆し、GPTで自動校閲・修正しています。

小さなツールでも、説明ページに最低限書くべきことは次の4つです。 1. 使い方:何をする道具で、何を入力すると何が出るか 2. 入力データの扱い:入れた内容がどこへ送られ、どこに残り、いつ消えるか 3. 対象外・できないこと:向かない用途と、結果への注意 4. 連絡先:不具合や削除の相談を受ける窓口 このうち、AIに任せきりにしてはいけないのは2番です。AIは「データは保存されません」のような安心感のある文を簡単に書きますが、実際にそうかどうかは、あなたのツールの作りでしか決まりません。この記事では、先に事実を調べる手順、埋めて使える雛形、AIへの依頼文、下書きの確認表を順に示します。
まず事実を洗い出す:判断表
文章を書く前に、自分のツールが次のどれに当たるかを確認します。ここは人が、コードと設定を見て答えます。
- 入力が端末の外へ出るか、調べ方:開発者ツールのネットワーク画面や、コード内の fetch 等を確認、説明に書くこと:送信先(外部のAIサービス等)と送る内容
- ブラウザ内に保存するか、調べ方:コード内の localStorage sessionStorage cookie IndexedDB 等と、開発者ツールの保存領域を確認、説明に書くこと:保存する内容・期間・消し方
- 自分のサーバーやDB、外部サービスに残るか、調べ方:保存先の設定に加え、ホスティング・外部サービスのログや保存・利用に関する公式説明を確認、説明に書くこと:保存する内容・期間・利用目的・削除の依頼方法
- アクセス解析・広告を入れているか、調べ方:読み込んでいる外部スクリプトを確認、説明に書くこと:利用の有無
- 名前・メール等を集めるか、調べ方:フォームの項目を確認、説明に書くこと:利用目的(後述)
入力内容の処理がブラウザ内だけで完結し、外部へ送信されないことをコード・設定・通信で確認できたら、「入力内容はこの端末のブラウザ内だけで処理され、送信しません」と書けます。ページ表示に伴うアクセス情報の送信・記録は、入力内容とは別に確認して説明します。
ブラウザ内保存の場合に押さえる点
localStorage は、MDNのWeb Storage APIの解説によると、ブラウザを再起動してもデータが残り、同じオリジンのドキュメントから読み取れます。sessionStorage はタブを閉じると消えます。パスワードや認証トークン、クレジットカード情報のような機密性の高い情報の保存は避けましょう。MDNの脅威モデルの例でも、XSS攻撃で localStorage のデータを読み取られる危険が挙げられています。
つまり説明ページでは「保存する」と書くだけでなく、何を保存するか、同じ端末の同じブラウザに残ること、利用者が消す手段があるかまで書くと親切です。「端末に残る」ことは、共用パソコンを使う人にとって重要な情報です。
説明ページの雛形
次の雛形の【】を自分のツールの内容に置き換えてください。【】が残ったまま公開しないようにします。
# 【ツール名】の使い方と注意事項
最終更新日:【YYYY-MM-DD】
## このツールでできること
【一文で。例:○○を入力すると△△を表示します】
## 使い方
1. 【入力欄に○○を入れる】
2. 【「△△」ボタンを押す】
3. 【結果を確認し、必要なら自分で修正する】
## 入力したデータの扱い
- 入力内容の送信先:【送信しない/○○(サービス名)へ、○○を送信する】
- 送信先での保存・利用:【送信しないため該当なし/保存する内容・期間・利用目的・削除方法と、公式説明へのリンク】
- 端末への保存:【保存しない/○○を、このブラウザ内に保存する。ブラウザのサイトデータを削除すると消える】
- 当方のサーバーでの保存:【保存しない/保存する(内容・期間)】
- ホスティング等のログ:【記録しない/記録する情報・期間・利用目的・削除の相談先】
- アクセス解析・広告:【使っていない/○○を使っている】
- 入力しないでください:【氏名、住所、パスワード、他人の個人情報など】
## できないこと・対象外
- 【例:結果の正確さは保証できません】
- 【例:業務上の重要な判断には使わないでください】
- 【例:対応していないブラウザ・ファイル形式】
## 不具合・削除のご連絡
【メールアドレス/フォームのURL】
返信は【数日〜】かかることがあります。【対応できない場合もあります】「入力しないでください」の行は、あなたが集めたくないデータを明示するためのものです。守られる保証はありませんが、書かなければ利用者は判断できません。
AIに下書きを頼む依頼文
AIには「事実を渡して、文章に整えさせる」だけを任せます。事実の欄はあなたが埋めます。以下は説明用の例の入力です(実在のツールではありません)。
次の事実だけを使って、Webツールの説明ページを日本語で書いてください。
事実にないこと(暗号化、削除の自動実行、法令への適合など)は書かないでください。
不明な点は「要確認」と書き、推測で埋めないでください。
形式は添付の雛形の見出しに合わせてください。
【事実】
- ツール:文字数カウンター(説明用の例)
- 入力:テキストを貼り付ける
- 送信:外部へ送信しない。処理はブラウザ内のみ
- 保存:直前の入力を localStorage に保存する(ボタンで削除できる)
- 解析・広告:なし
- 連絡先:メールアドレスを公開
- 対象外:文書の内容の正しさは判定しない
【雛形】(上の雛形を貼る)依頼文に実際の機密文書や他人の個人情報を貼る必要はありません。確認には、ダミーの文章で足ります。
AIの下書きを確かめる
下書きが返ってきたら、次の順に人が確認します。
- 事実との一致、見るポイント:渡した事実になかった文(「安全に保管」「暗号化」「一定期間後に削除」)が混じっていないか
- 動作との一致、見るポイント:「保存しない」と書いた内容がブラウザの保存領域に残らず、「送信しない」と書いた内容が通信に含まれていないか。ダミーデータを入力して開発者ツールで見る。サーバーや外部サービスでの保存は、設定・ログ・公式説明も確認する
- 断定の強さ、見るポイント:「完全に」「絶対」「必ず」など、保証と読める語が入っていないか
- 外部サービス、見るポイント:使っているAI・ホスティング・解析サービスが、別の提供元の規約でデータを扱う場合、その旨が書かれているか
- 連絡先、見るポイント:実際に届くか。送信テストをしたか
- 更新日、見るポイント:機能を変えたとき、説明も一緒に直す運用になっているか
特に「動作との一致」は、文章を読むだけでは分かりません。ダミーの入力をして、保存領域とネットワークの通信を実際に見てください。
個人情報を集めるツールの場合
問い合わせフォームやメール登録など、特定の個人が分かる情報を集めるなら、利用目的の掲示が必要になる可能性があります。個人情報保護委員会のガイドライン(通則編)のページでは、次の趣旨が確認できます。
- 個人情報取扱事業者とは、個人情報データベース等を事業の用に供している者で、営利・非営利を問わず、法人格のない団体や個人も含まれる
- 個人情報を取得する場合、原則として、あらかじめ利用目的を公表している場合を除き、速やかに本人へ通知または公表する必要がある(法第21条第1項)
- フォームなどで本人から直接入力された個人情報を取得する場合は、原則として、取得前に利用目的を本人へ明示する必要がある(法第21条第2項)。送信前に確認できる位置に利用目的を表示するか、その説明へのリンクを置きます
自分のツールがこの定義に当たるかは、個人情報データベース等を事業に利用しているかなどによるため、この記事では判断できません。扱う個人情報の人数が少ないことだけで、対象外にはなりません。迷う場合は、委員会の公式資料や相談窓口で確認してください。当たるかどうかにかかわらず、集める以上は、雛形の末尾に次のような項目を足しておくと、利用者にも自分にも分かりやすくなります(文面は説明用の例です)。
## 取得する情報と利用目的
- 取得する情報:メールアドレス
- 利用目的:お問い合わせへの返信のみ
- 第三者への提供:【しない/する場合はその内容】
- 削除のご依頼:上記の連絡先にご連絡ください利用目的は「サービス向上のため」のような広い書き方より、「問い合わせへの返信」のように具体的に書くほうが、利用者に伝わります。
公開前の最終チェック
- 【】が残っていない
- 雛形の「データの扱い」を、判断表の調査結果と1行ずつ突き合わせた
- 「できないこと」に、AIの出力や計算結果の正確性への注意を入れた
- 連絡先に自分で送信してみた
- ツールの画面から説明ページへリンクがある(フッターや入力欄の近く)
小さなツールほど、機能を足すたびに説明がずれていきます。保存や送信を増やしたら、その日のうちに「入力したデータの扱い」を見直す習慣をつけておくと安全です。

