マガジン

グラフの選び方:比較・推移・割合・分布を伝えたい一文から決める

AIを使いこなす

執筆にClaudeを使用しています。

机の上で、中央の付箋メモを見ながら、棒・折れ線・円・山形の4種類の切り抜きから1枚を選ぶ手元の場面
記事の内容をもとに制作したAI生成イメージです。実際の製品画面や検証結果の写真ではありません。

グラフは「データが何型か」ではなく「読み手に持ち帰ってほしい一文」で決めると迷いません。 • 「AはBより大きい」と言いたいなら、比較なので棒グラフ(縦棒または横棒) • 「だんだん増えている」なら、推移なので折れ線 • 「Aが全体の半分を占める」なら、割合なので円(または積み上げ) • 「金額は3,000円前後に集まっている」なら、分布なのでヒストグラム 同じ売上表でも、言いたい一文が変わると正解のグラフも変わります。一文が決まらないままグラフを作ると、種類を何度も切り替えて試すだけで時間が過ぎます。この記事では、一文からグラフを選ぶ早見表と、その一文をAIに渡して候補を出させる質問文を用意しました。

この記事の目次
  1. 一文からグラフを選ぶ早見表
  2. 4つの型で見る判断のポイント
  3. 一文を作る手順
  4. AIにグラフ候補を出させる質問文
  5. AIの提案を採用する前に人が確認すること

一文からグラフを選ぶ早見表

左の列から、自分が言いたい一文に近いものを探してください。一文の例はすべて説明用で、実在のデータではありません。

  • 比較:どれが大きい・小さい、一文の例:「A店はB店より売上が高い」、第一候補:縦棒(項目名が長いときは横棒)、代わりの候補:値の大きい順に並べた棒、避けたい選び方:項目が多いのに円グラフ
  • 推移:時間でどう変わった、一文の例:「売上は4月から半年増え続けている」、第一候補:折れ線、代わりの候補:縦棒(期間が少ないとき)、避けたい選び方:日付の間隔が不揃いな表をそのまま折れ線にする
  • 割合:全体のうちどれだけ、一文の例:「売上の半分は商品Aが占める」、第一候補:円(項目が少ないとき)、代わりの候補:構成比を並べた横棒、避けたい選び方:項目が多い円、合計が全体を表していない円
  • 割合の推移:内訳が時間で変わる、一文の例:「商品Aの比率が年々下がっている」、第一候補:100%積み上げ縦棒、代わりの候補:比率を折れ線で表示、避けたい選び方:円グラフを年数分並べる
  • 分布:ばらつき・集まり方、一文の例:「注文金額は3,000円前後に集中している」、第一候補:ヒストグラム、代わりの候補:箱ひげ図(複数グループを比べるとき。Excelの場合)、避けたい選び方:平均値の棒1本だけで済ませる
  • 関係:2つの数値の連動、一文の例:「広告費が多い月は来店数も多い」、第一候補:散布図、代わりの候補:特になし、避けたい選び方:折れ線でつなぐ

最後の「関係」は問いの4つの型の外ですが、一文を考えると必ず出てくるため1行足しています。

4つの型で見る判断のポイント

ここで触れるグラフの特徴は、Microsoftのグラフの種類の解説(同じ内容の別URL)に基づきます。

比較:棒を基本に、向きと順序を決める

横棒は、軸ラベルが長いときや、値が所要時間のようなときに向くと説明されています。店舗名や部署名が長いなら横棒、短い項目や数が少ない項目なら縦棒、と使い分ければ十分です。

もう一つは並べ替えです。「A店が一番高い」と言いたいなら、値の大きい順に並べると、見た瞬間に一文が伝わります。

推移:間隔が等しいかを先に見る

折れ線は、月・四半期のように等間隔のデータで、時間による傾向を見せるグラフとして説明されています。作る前に、日付の間隔が揃っているか確認してください。「1月、2月、3月、7月」のように抜けがあるなら、抜けを明示するか、期間を絞って一文を言い換えるほうが誤解を避けられます。横軸が等間隔でないデータには、同じ資料が散布図も挙げています。

割合:円グラフは条件を満たすときだけ

Microsoftの資料は、円グラフが向く条件として次の4つを挙げています。

  • データ系列が1つ
  • 負の値がない
  • ゼロに近い値がほとんどない
  • 項目が7個以下で、すべてが全体の一部を表している

条件を外れるなら、項目を並べた横棒に切り替えたほうが読みやすくなります。円は「半分を占める」「3分の1だ」のような大きな差を言うときに向き、僅差の項目を比べたいときは棒が向きます(これは資料の記述ではなく、編集部の使い分けの目安です)。

内訳の時間変化を見せたいときは、100%積み上げ縦棒が候補です。同じ資料では、複数の系列の「全体への寄与」を強調するグラフとして説明されています。

分布:平均ではなく「集まり方」を見せる

ヒストグラムは、値を区間(階級)に分けて、各区間に何件あるかを示すグラフです。Microsoftのヒストグラムの作成ページでは、区間の幅や数を指定できる設定が案内されています。注文金額、対応時間、アンケートの点数などに向きます。区間の幅で形が変わるため、最初の一文(例:「3,000円前後に集中している」)に合う幅を選んでください。

複数のグループの分布を並べて比べたいなら、箱ひげ図が候補です。箱ひげ図の作成ページによると、データを四分位に分けて平均値や外れ値を示します。ヒストグラムも箱ひげ図も、案内されているのはExcel 2016以降とMicrosoft 365です。挿入の場所は、Windows版では[挿入]>[統計グラフの挿入]です。

一文を作る手順

AIに頼む前に、次の3点を自分で埋めておくと候補の質が上がります。

  1. 誰に何をしてほしいか:例「部長に、来期は店舗Aを増員する判断をしてほしい」
  2. 比べる相手と期間:例「店舗A・B・Cの、直近6か月」
  3. 数字を入れた一文:例「店舗Aの6か月合計は、B・Cのどちらよりも大きい」

3番目が言い切れないなら、データから分かったことがまだ定まっていません。その場合は先にAIに「このデータから言えそうなことを3つ挙げて」と頼み、人が確認して一つ選んでから、グラフ選びに進みます。

AIにグラフ候補を出させる質問文

そのままコピーして使えます。[ ]の部分だけ差し替えてください。この文は説明用の雛形で、実際のAIで動作を確かめたものではありません。

あなたは事務職向けにグラフの助言をします。
次の「伝えたい一文」を、読み手に一目で伝えるグラフを提案してください。

【伝えたい一文】[例:店舗Aの6か月合計は、B・Cのどちらよりも大きい]
【読み手】[例:部長。数字に詳しくない]
【使うソフト】[Excel / Googleスプレッドシート]
【データの列見出しと先頭3行】
[ここに貼る(個人名・取引先名・金額は架空の値に置き換える)]
【データ全体の件数】[例:店舗3、月6、計18行]

出力の条件:
1. 第一候補と第二候補のグラフ種類を挙げ、それぞれ選んだ理由を一文で
2. 避けたほうがよい種類と、その理由
3. 軸に使う列、並べ替え、色の使い方
4. このグラフで誤解を招く可能性がある点
5. 一文に合わないデータ(間隔の抜け、項目が多すぎる等)があれば指摘

入力例(説明用の架空データ)

【伝えたい一文】商品Aは売上の半分を占める
【読み手】営業会議の参加者
【使うソフト】Excel
【データの列見出しと先頭3行】
商品, 売上
商品A, 500
商品B, 300
商品C, 200
【データ全体の件数】商品3件

この数字は説明用に作ったもので、実在の売上ではありません。項目が3つで合計が全体を表しているため、円グラフが第一候補、横棒が第二候補という答えが期待できます。ただし実際の出力はAIやその時点の設定で変わります。

AIの提案を採用する前に人が確認すること

AIは候補と理由を出すところまでを任せ、採用の判断とデータの正しさの確認は人が行います。

  • 一文と合っているか:グラフを見て最初に目が行く場所が、一文の内容と一致していますか。
  • 種類の条件を満たしているか:円なら項目が7個以下で負の値がないか。折れ線なら間隔が等しいか。
  • 数値が元の表と合っているか:AIに貼ったのが先頭数行だけなら、全体の集計は表計算ソフト側で行います。AIが示した合計をそのまま信用しないでください。
  • 軸が誇張していないか:棒グラフの縦軸を途中から始めると、差が大きく見えます。0から始めるのが無難です。
  • 貼った情報が適切か:顧客名や社内の非公開数値は架空の値に置き換えます。AIサービスの学習利用の設定をオフにしても、貼ってよい情報が広がるわけではありません。社内規程や契約を確認してください。

選べるグラフの種類は、ソフトのバージョンやプランで異なる場合があります。Googleスプレッドシートも含め、ご自身の環境で、挿入メニューやグラフエディタに候補があるかを確かめてください。

出典・参考資料