個人店がAIを使う前に見直すセキュリティ:パスワード・共有アカウント・端末の基本対策
AIを使いこなすClaudeで執筆し、GPTで自動校閲・修正しています。

結論から言うと、AIを使う前にやることは「AI専用の対策」ではなく、店のアカウントと端末の棚卸しです。順番は次の4つです。 1. 店で使っているアカウントを一覧にする(アカウント台帳) 2. 共有しているIDを「人ごとのID」か「管理者つきの共有」に分ける 3. 重要なアカウントから多要素認証を入れる 4. 端末(PC・スマホ・タブレット)の基本設定を確認する AIサービスのアカウントも、この台帳の1行として管理します。入力する情報やサービスの利用条件は、別途確認が必要です。この記事では、台帳の項目例、共有アカウントの判断表、公的資料で確認する点の一覧、AIに台帳作りを手伝わせる依頼文を載せます。
この記事の目次
見直しの順番と、先に台帳を作る理由
守る対象が分からないまま対策を始めると、抜けが出ます。予約サイト、SNS、メール、会計ソフト、決済端末の管理画面、そしてAIサービス。個人店は、この全部を数人、ときには一人で回しています。
IPAの中小企業の情報セキュリティ対策ガイドラインは、個人事業主から中小企業までを対象にしています。2026年3月27日公開の第4.0版では、はじめに取り組む項目が5か条から6か条に拡充され、「バックアップを取ろう!」が加わりました。付録には「5分でできる自社診断」「資産管理台帳サンプル」「クラウドサービス安全利用手引き」なども含まれています。
アカウント台帳の項目例
台帳は表計算ソフトで足ります。パスワード本体は書きません。 パスワードはパスワード管理アプリやブラウザの管理機能など、別の場所に置きます。
- サービス名、書く内容:予約サイト、会計ソフト、AIサービスなど、理由:棚卸しの土台
- 用途、書く内容:何のために使うか、理由:不要なものを見つける
- ログインID(メールアドレス)、書く内容:どのアドレスで登録したか、理由:登録したアカウントを特定する
- 管理者、書く内容:最終責任者の名前、理由:退職・引き継ぎで迷わない
- 利用者、書く内容:誰が使うか、理由:共有の実態を把握する
- 共有の有無、書く内容:個人ID/共有ID、理由:後述の判断表で使う
- 多要素認証、書く内容:有効/無効/未対応、理由:優先順位をつける
- 回復手段、書く内容:登録電話番号、予備コードの保管場所、理由:端末紛失時に締め出されない
- 支払い方法、書く内容:カード、請求先、理由:不正利用に気づきやすい
- 扱う情報、書く内容:売上、顧客連絡先、従業員情報など、理由:重要度の判断
- 退職時の対応、書く内容:パスワード変更、ID削除など、理由:抜け漏れ防止
- 最終確認日、書く内容:見直した日、理由:放置を防ぐ
以下は説明用の例です。実在のサービスや運用ではありません。
- 予約サイト管理画面、用途:予約受付、共有:共有ID、多要素認証:未対応、扱う情報:顧客氏名・電話、管理者:店主
- 会計ソフト、用途:帳簿、共有:個人ID、多要素認証:有効、扱う情報:売上・取引先、管理者:店主
- 生成AIサービス、用途:文章下書き、共有:個人ID、多要素認証:有効、扱う情報:原則、顧客情報は入れない、管理者:店主
共有アカウントは「やめる」か「管理する」かを決める
共有IDの問題は、誰が操作したか分からなくなること、そして誰かが辞めたときに全員分のパスワード変更が必要になることです。まず、サービスの規約やヘルプで共有が認められるか確認します。例えば、OpenAIはアカウントを個人用とし、他の利用者には自分のアカウントの作成を求めています。これは編集上の整理ですが、次の表で判断できます。
- サービスが利用者ごとのIDや権限設定に対応している、判断:人ごとにIDを作り、権限を絞る
- 共有IDしか使えず、サービスが共有を認めている、判断:管理者を一人決め、利用者を台帳に記録し、退職時にパスワードを変更する
- 認証コードが店主のスマホにしか届かない、判断:運用を決める。コードを口頭で渡す運用が常態化するなら、IDを分けられないか再検討する
- 家族の個人アカウントを店用に流用している、判断:店専用のアドレスとアカウントを作って移す
多要素認証は、重要度の高いアカウントから入れます。IPAの不正ログイン対策特集ページは、パスワードを「できるだけ長く」「複雑で」「使い回さない」ことを基本とし、さらに多要素認証の設定を勧めています。主要サービスの設定手順へのリンクも載っています。ただし、このページの最終更新は2023年9月29日で、パスキーには触れていません。パスキーの扱いは、使うサービス自身のヘルプで確認してください。
AIサービスの例として、OpenAIのMFAの管理ページ(英語、2026年10月29日に本文確認)には次の記載があります。
- 認証アプリ、プッシュ通知、SMS/WhatsApp、パスキーが選べる
- 有効にするとChatGPTとAPI Platformの両方に適用される
- メールはMFAの方法にできない
- 使える方法は端末・国・アカウントの種類などで変わる
- すべての方法が使えなくなったときの回復は一度きりで、確認に数日かかることがある
最後の点から、サービスが対応していれば別の認証手段も登録します。予備コードが発行されるサービスでは、コード本体を安全に保管し、その保管場所を台帳の「回復手段」欄に書いておきます。他のサービスでも、設定画面の名称や選べる方法は変わります。
端末の確認は「持ち出し・ロック・更新・バックアップ」
端末は、次の項目を一つずつ「はい/いいえ」で確認します。
- 画面ロック(PINや生体認証)をかけているか
- OSとアプリがサポート期間内で、更新しているか
- ウイルス対策を入れているか
- 私物のスマホで店のアカウントにログインしている場合、紛失時にどうするか決めているか
- 売上データや顧客情報のバックアップを取っているか
- 店の端末を家族や来店客が触れる場所に置いていないか
IPAのガイドラインの付録にある「5分でできる!情報セキュリティ自社診断」には、更新、ウイルス対策、バックアップ、紛失・盗難防止、画面の保護、私物端末の業務利用などの確認項目があります。
公的資料で確認する点の一覧
- IPA 中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン 第4.0版、確認すること:6か条、5分でできる自社診断、資産管理台帳サンプル、クラウドサービス安全利用手引き、インシデント対応手引き、補足:台帳の項目を自店用に増減するときの参考。この記事のアカウント台帳は編集上の項目例です
- IPA 不正ログイン対策特集ページ、確認すること:パスワードの考え方、多要素認証に対応するサービスと設定手順、補足:最終更新2023年9月29日。新しいサービスは掲載外のことがある
- 個人情報保護委員会 FAQ(中小規模事業者の安全管理措置)、確認すること:中小規模事業者は大企業と同じ措置が必須ではなく、被害の大きさ、事業の規模・性質、データの取扱状況などに応じて決める、補足:顧客名簿などを扱う個人情報取扱事業者(日本の法制度)の話。個別の適法判断はできません
- 個人情報保護委員会 ガイドライン(通則編)、確認すること:別添に、組織的・人的・物理的・技術的の安全管理措置と、中小規模事業者向けの手法例示がある。「中小規模事業者」の定義と除外条件も確認する、補足:顧客情報を扱うなら、台帳の「扱う情報」欄と照らす
- 使うAIサービスのヘルプ、確認すること:MFAの方法、アカウント共有のルール、回復手順、補足:利用規約は更新されるため、契約するプランのものを読む
AIに台帳づくりを手伝わせる依頼文
AIに渡してよいのは、サービス名、用途、共有の有無といった構造の情報までです。パスワード、認証コード、予備コード、顧客の個人情報は貼りません。学習に使われない設定にしても、それは秘密保持とは別の話なので、入れない前提で運用します。
以下は未実行の依頼文の例です。
あなたは小さな飲食店の事務を手伝うアシスタントです。
次のサービス一覧から、アカウント台帳の表を作ってください。
列は「サービス名/用途/共有の有無/多要素認証の状況/扱う情報/
確認が必要な点」です。
パスワードやコードは入力していません。推測で埋めず、
不明な欄は「要確認」としてください。
最後に、共有IDのものを優先度の高い順に並べてください。
【一覧(説明用の例)】
- 予約サイト管理画面:予約受付、スタッフ2人で同じIDを使用
- 会計ソフト:店主のみ
- 生成AIサービス:店主のみ、文章の下書き用人が確認するのは三点です。AIが埋めた「多要素認証の状況」を実際の画面で確かめること。「要確認」の欄を自分で埋めること。優先順位を店の事情に合わせて並べ替えることです。AIは推測で補う場合があるので、事実の欄は必ず元の画面と突き合わせます。
まず台帳を作り、共有IDと多要素認証が未設定のものを3つ選んで1週間で対応する。この程度の範囲から始め、残った項目も順に見直していきます。

