教室の体験会や限定メニューの告知文をAIで作る:日時・料金・定員の書き漏れを防ぐ
AIを使いこなすClaudeで執筆し、GPTで自動校閲・修正しています。

結論から言うと、AIに「いい感じの告知文を書いて」と頼む前に、申込みに必要な項目を表に書き出し、それをそのままAIに渡すのが近道です。そのうえで、AIには文章を作る前に「足りない項目と矛盾」を指摘させます。最後に人が、表と本文を突き合わせて読み合わせます。 AIは勢いのある文章を作るのが得意です。一方、渡されていない情報を、もっともらしく補ってしまうことがあります。料金や定員、締切のような、間違えるとお客様とのトラブルになる情報ほど、人が決めた値を渡して、人が照合する形にしておくのが安全です。 この記事では次の3点を、そのまま使える形で示します。 • 告知に必須の項目表(教室の体験会用と、飲食店の限定メニュー用) • AIに渡す入力形式と依頼文 • 公開前の読み合わせチェックリスト 文中のサンプルは、すべて「説明用の例」です。実在の教室や店ではなく、AIに実際に実行させた結果でもありません。
告知に必須の項目表
文章を考える前に、次の表を埋めます。右端の列は、書き漏れたときに起きやすい問い合わせです。
- 名称、体験会の場合:体験会の名前、限定メニューの場合:メニュー名、書き漏れたときの問い合わせ例:何のイベントか分からない
- 日時、体験会の場合:日付・曜日・開始と終了時刻、限定メニューの場合:提供期間・提供時間帯、書き漏れたときの問い合わせ例:「何時までですか」
- 場所、体験会の場合:住所・最寄り・目印、限定メニューの場合:店舗名(複数店なら対象店)、書き漏れたときの問い合わせ例:「どこの店舗ですか」
- 料金、体験会の場合:金額・税込か税別か・材料費や道具代を含むか、限定メニューの場合:金額・税込か税別、書き漏れたときの問い合わせ例:「追加料金はありますか」
- 定員・数量、体験会の場合:定員・最少催行人数、限定メニューの場合:1日の提供数、書き漏れたときの問い合わせ例:「まだ空いていますか」
- 申込方法、体験会の場合:フォーム・電話・DMのどれか、限定メニューの場合:予約制か当日来店か、書き漏れたときの問い合わせ例:「どこから申し込むのですか」
- 申込締切、体験会の場合:締切日(定員に達した場合の扱い)、限定メニューの場合:予約の締切、書き漏れたときの問い合わせ例:「当日でも大丈夫ですか」
- 対象、体験会の場合:年齢・初心者可否・子ども同伴、限定メニューの場合:提供の条件(ランチのみ等)、書き漏れたときの問い合わせ例:「子どもも参加できますか」
- 持ち物・服装、体験会の場合:必要なもの・汚れてよい服装、限定メニューの場合:(なければ省略)、書き漏れたときの問い合わせ例:「何を持っていけばいいですか」
- キャンセル、体験会の場合:連絡期限・返金の有無、限定メニューの場合:予約の取消しの扱い、書き漏れたときの問い合わせ例:「行けなくなったらどうなりますか」
- 食に関する注意、体験会の場合:飲食を伴う場合のみ、限定メニューの場合:アレルギー情報の案内方法、書き漏れたときの問い合わせ例:「アレルギーの対応はどうなりますか」
- 問い合わせ先、体験会の場合:連絡手段と対応時間、限定メニューの場合:同左、書き漏れたときの問い合わせ例:「質問先が分かりません」
「食に関する注意」は、店で実際に行っている案内の方法に合わせて書きます。AIに考えさせる項目ではありません。
決まっていない項目は、空欄にせず「未定」と書いてください。空欄のままだと、AIがそれらしい値で埋めてしまうことがあります。
AIに渡す入力形式
表の内容を、項目名つきの箇条書きにして渡します。次は、説明用の例です。
【イベント種別】教室の体験会
【名称】はじめての手びねり体験会
【日時】2026年11月21日(土) 10:00〜11:30
【場所】ひなた陶芸教室(説明用の架空の教室。住所は公開時に記入)
【料金】2,500円(税込)。粘土・焼成代を含む。エプロンは貸出
【定員】6名(先着)。最少催行は3名
【申込方法】申込フォーム(URLは公開時に記入)
【申込締切】2026年11月18日(水)。定員に達し次第終了
【対象】中学生以上。初心者歓迎。小学生は保護者同伴で相談可
【持ち物】不要。汚れてもよい服装
【キャンセル】前日18:00までにフォームの返信メールへ連絡
【食に関する注意】なし
【問い合わせ先】フォームの問い合わせ欄(返信は営業日内)
【伝えたい雰囲気】気軽、道具がなくても大丈夫
【媒体】店頭ポスター用、SNS投稿用(短め)ここで大事なのは、「事実」と「雰囲気」を分けていることです。事実の欄は一字も変えてほしくない情報、雰囲気の欄はAIに自由に表現してもらってよい情報です。
曜日は、AIが日付から計算し直して間違えることがあります。曜日も人が決めた値として入れておき、公開前にカレンダーで確認してください。
依頼文は2段階に分ける
1回で「作成」まで頼むより、先に点検だけをさせるほうが、書き漏れを見つけやすくなります。
1段階目:点検の依頼文
あなたは小さなお店の告知文を点検する担当です。
下の【入力情報】だけを根拠に、次の3点を答えてください。文章はまだ作らないでください。
1. 申込みに必要なのに、書かれていない、または「未定」の項目
2. 項目どうしの矛盾(例:締切が開催日より後、定員と最少催行人数の逆転)
3. 読む人によって意味が変わる曖昧な表現(例:「○○込み」の範囲、「先着」の扱い)
入力にない情報は、推測で補わず「未記入」と書いてください。
【入力情報】
(ここに上の項目を貼る)AIの指摘を見て、表を直します。ここで直すのは文章ではなく表です。
2段階目:作成の依頼文
直した【入力情報】をもとに、{媒体}用の告知文を作ってください。
守ること:
- 日時、料金、定員、締切、申込方法、キャンセル条件は入力どおりに書き、言い換えや省略をしない
- 入力にない特典、効果、人気、限定感を加えない
- 住所やURLなど「公開時に記入」の箇所は【要記入】と残す
- 文章のあとに、本文の各数字・日付が入力のどの項目に対応するかを一覧表にする
- SNS用は文字数が短くなっても、日時・料金・申込方法は必ず残す最後の「対応表」を出させる指示が、公開前の読み合わせで役立ちます。本文のどの数字がどの項目から来たかを、横に並べて確認できるからです。
公開前の読み合わせチェックリスト
読み合わせは、できれば2人で行います。1人が項目表を読み上げ、もう1人が公開する本文の該当箇所を指でたどります。1人しかいない場合は、表を印刷して本文を声に出して読み、項目に線を引いていきます。
- [ ] 日付と曜日が一致している(カレンダーで確認した)
- [ ] 開始時刻と終了時刻が、表と同じである
- [ ] 料金が表と同じで、税込か税別かが書かれている
- [ ] 料金に含まれるもの(材料費、道具代、飲み物など)と含まれないものが読み取れる
- [ ] 定員、最少催行人数、先着か抽選かが書かれている
- [ ] 申込締切が開催日より前で、定員に達したときの扱いが書かれている
- [ ] 申込方法が1つに絞られ、リンクや電話番号を実際に開いて(かけて)確かめた
- [ ] 対象(年齢、初心者、子ども同伴)が書かれている
- [ ] キャンセルの連絡期限と連絡先が書かれている
- [ ] 食に関する注意は、店で実際に行う案内の方法と一致している
- [ ] 表にない特典、効果、「人気」「大好評」などの表現が混ざっていない
- [ ] 店頭ポスター、SNS、予約サイトなど、媒体ごとに数字が食い違っていない
- [ ] 画像に入れた文字も、本文と同じ値になっている
- [ ] 【要記入】の印が残っていない
- [ ] 問い合わせ先に、実際に連絡がつく
AIが作った文章は、日本語としては整っていても、数字だけが1か所違うことがあります。そこで、文章全体の印象より先に、数字と固有名詞を1つずつ声に出して確認するのがおすすめです。
日付が変わったときの扱い
開催後や内容変更のあとは、元の告知が残り続けないようにします。変更が出たときは、表を先に直し、同じ依頼文で全媒体の文面を作り直します。一部の媒体だけを手で直すと、数字が食い違う原因になります。
変更の連絡文を作る場合は、「変更前」「変更後」を表に並べて渡し、「変わらない項目も明記する」よう指示します。
AIに入れてよい情報、入れない情報
告知文の素材は、もともと公開する予定の情報です。そのため、入力する項目は上の表にあるものだけにし、次のような情報は貼らないようにします。
- 申込者や問い合わせ者の氏名、連絡先、メールの本文
- 常連客の個人が特定できる情報
- 未公開の仕入れ価格や売上など、外に出したくない数字
個人情報保護委員会は、生成AIサービスの利用に関する注意喚起を公表しています。ページに掲載された注意喚起の資料では、プロンプトに個人情報を含めて入力する場合の注意点が示されています。個人のお客様の情報を扱う場合は、告知文作成のためにAIへ貼る必要があるかどうかを、まず見直すのが現実的です。
なお、AIサービスの「学習に使わせない設定」と、「秘密を守ってもらうこと」は別の話です。
- OpenAIのヘルプ記事では、ChatGPTの個人向けサービス(Free、Plus、Pro)ではコンテンツがモデル改善に使われる場合があり、設定の「Improve the model for everyone」をオフにすると、新しい会話はモデル改善に使われないと説明されています。ただし、回答への評価(いいね・よくない)を送ると、その会話全体が使われる場合があるとも書かれています。Business、Enterprise、Edu、APIは、別の合意がなければ入力と出力をモデル改善に使わないとされています。確認したのは、How your data is used to improve model performance(2026年10月29日に閲覧)です。
- Anthropicのヘルプ記事では、Claudeの会話をモデル改善に使うことを許可した場合、限られた担当者がレビューすることがあると説明されています。一方、安全性の分類器に検知された会話は、内部の信頼性・安全性モデルの改善などに使われる場合があるとも記載されています。パスワードや機密文書などの機微な情報には注意するよう案内されています。Claudeの会話を誰が見られるか(2026年10月29日に閲覧)を参照してください。
設定やプランの内容は変わることがあります。使う前に、ご自身のプランの現在の画面とヘルプで確認してください。
使い始めの手順
- 上の項目表を、自店の内容に合わせて1枚のメモにする(決まっていない項目は「未定」と書く)
- 点検の依頼文を実行し、指摘された項目を表に反映する
- 作成の依頼文を、媒体ごとに実行する
- 対応表を横に置き、チェックリストで読み合わせる
- 公開後に問い合わせが来た内容を、次回の項目表に足す
5番目を続けると、項目表が自店の実情に合ったものになっていきます。たとえば、問い合わせが多い項目(駐車場、送迎、持ち込みなど)は、表の行として追加しておくと、次回から点検の対象になります。

