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AIが作った文章を外に出す前の承認チェック:個人情報・誤り・混入の確認

AIを使いこなす

Claudeで執筆し、GPTで自動校閲・修正しています。

公開前原稿と承認記録をペンで確認している机上の様子
記事の内容をもとに制作したAI生成イメージです。実際の製品画面や検証結果の写真ではありません。

AIが作った文章を公開してよいかどうかは、「作成者が一人で全部見直す」だけでは決められません。作成者は根拠を集めて自分で潰せる誤りを直し、承認者は「公開してよい状態か」を別の目で判断して記録を残します。役割を分けておくと、承認者が全文を一から調べ直す負担も、作成者が「承認が通ったから大丈夫」と考える油断も減らせます。 この記事では、公開前チェックの10項目と、承認者が残す確認記録のひな形を示します。文中の例はすべて「説明用の例」で、実際に運用した結果ではありません。

この記事の目次
  1. 作成者と承認者の役割を分ける
  2. 公開前チェック10項目
  3. 作成者の点検に使う依頼文
  4. 承認者の判断基準
  5. 承認者が残す確認記録のひな形
  6. 公開後に誤りが見つかったら

作成者と承認者の役割を分ける

同じチェックでも、作成者と承認者では見る対象が違います。

  • 目的、作成者(本人の見直し):誤り・混入を公開前に潰す、承認者(第三者の承認):公開してよい状態かを判断する
  • 見るもの、作成者(本人の見直し):本文、元資料、AIへの入力内容、承認者(第三者の承認):本文、作成者の根拠メモ、公開先
  • 求められる成果物、作成者(本人の見直し):修正済み本文と根拠メモ、承認者(第三者の承認):判断(承認・条件付き・差し戻し)と記録
  • 陥りやすい失敗、作成者(本人の見直し):自分の文章として読み流す、承認者(第三者の承認):提出されたものだけを信じて通す

承認者は、作成者が「何を確認したか」を見て、そこから漏れていそうな点を突きます。そのため作成者は、本文と一緒に次の3点を出します。

  • AIに渡した情報の概要(何を入力したか)
  • 数値・固有名詞・引用の根拠(一次資料のURLや文書名)
  • 作成者が自分でチェックした結果(下の10項目)

公開前チェック10項目

承認者が全項目を再調査する必要はありません。各項目で「作成者が確認した証拠が出ているか」を見て、怪しい箇所だけ抜き取りで確認します。

  • 1、項目:個人情報、作成者が見ること:氏名、連絡先、顧客・従業員の事例など個人が特定できる記述がないか。複数の情報を合わせて特定できないか、承認者が見ること:抜き取りで本文を検索。特定できる記述があれば差し戻し
  • 2、項目:非公開情報、作成者が見ること:未発表の計画、契約内容、社内システム名、社内URLが入っていないか、承認者が見ること:公開範囲に照らして問題がないか
  • 3、項目:事実・数値・日付、作成者が見ること:すべて元資料と突き合わせたか。古くなる情報に日付を付けたか、承認者が見ること:根拠メモと本文の数値が一致しているか
  • 4、項目:出典・リンク、作成者が見ること:引用元とURLが実在し、書かれた内容を本当に裏付けているか、承認者が見ること:数件を実際に開く
  • 5、項目:人物・団体への言及、作成者が見ること:名前、肩書、発言、評価の記述が正確か。断定的な批判になっていないか、承認者が見ること:当事者に確認が必要か判断
  • 6、項目:既存の著作物との類似、作成者が見ること:他者の文章・画像・ロゴに似ていないか。引用なら範囲と表示が適切か、承認者が見ること:疑わしい箇所を検索で確認
  • 7、項目:混入物、作成者が見ること:「以下が文章案です」などAIの前置き、プレースホルダ(〇〇、XXX)、前回の話題の名残、他社名の混ざりがないか、承認者が見ること:先頭・末尾・括弧書きを重点的に見る
  • 8、項目:断定・約束表現、作成者が見ること:「必ず」「絶対」「保証」など根拠のない言い切り、効果の約束がないか、承認者が見ること:根拠が示せない表現を削らせる
  • 9、項目:公開先と権限、作成者が見ること:公開先、共有設定、宛先は正しいか。その内容を出す権限が自分にあるか、承認者が見ること:権限者が承認する範囲に収まっているか
  • 10、項目:AI利用の記録、作成者が見ること:使ったツール、日付、入力した要点を残したか。社内規程や公開先のルールで求められる表示があるか、承認者が見ること:記録が保存場所に残っているか

個人情報の扱いについて、個人情報保護委員会は、生成AIサービスの利用に関する注意喚起等を公表し、別添資料を掲載しています(個人情報保護委員会の発表ページ)。入力してよいデータは、社内規程や個人情報担当の判断に従ってください。

著作権については、文化庁が「AIと著作権に関する考え方について」を取りまとめ、あわせて「チェックリスト&ガイダンス」を公開しています(文化庁「AIと著作権について」)。項目6で迷ったら、立場ごとの取組みを示した資料の原文に当たってください。

作成者の点検に使う依頼文

10項目のうち、混入(7)、断定表現(8)、数値の洗い出し(3)は、AIにも手伝わせられます。ただしAIの点検は見落としもあるため、「確認の代わり」ではなく「探す手間を減らす道具」として使います。

注意点が二つあります。

  • 点検にかける文章に、個人情報や機密が入っているなら、そのまま貼らず、先に架空の値へ置き換えます。
  • 利用するサービスで「学習に使わない」設定ができても、それは入力内容を社外に出してよいという意味ではありません。社内ルールでその用途が許されているかは別に確認します。
次の文章は公開前の原稿です。修正はせず、指摘だけを一覧にしてください。
観点:
1. AIの前置きや後書き、プレースホルダ(〇〇、XXX、[ ]など)の残り
2. 人名・社名・メールアドレス・電話番号・住所に見える記述
3. 数値、日付、固有名詞(根拠の確認が必要なものとして列挙)
4. 「必ず」「絶対」「保証」など根拠のない断定表現
5. 文章内で矛盾している記述
出力形式: 表(該当箇所の引用 / 観点番号 / 理由)。
該当がない観点は「指摘なし」と書いてください。
文章の事実が正しいかどうかは、あなたは判断しないでください。
---
(ここに原稿)

最後の一文は大切です。AIに「事実として正しいか」を判定させると、もっともらしい返答で安心してしまいます。事実確認は、元資料に当たる作業として人が行います。

承認者の判断基準

承認者の結論は4種類に絞ると、迷いが減ります。

  • 承認、使う場面:10項目に証拠があり、抜き取りで問題がない、次の動き:公開
  • 条件付き承認、使う場面:軽微な修正(表記、日付の追記など)のみ、次の動き:作成者が直し、承認者が差分だけ確認
  • 差し戻し、使う場面:根拠のない数値、実在しない出典、混入物がある、次の動き:作成者が全項目を再確認
  • 公開不可、使う場面:個人情報・非公開情報の含有、権限なし、次の動き:公開を止め、含まれた経緯を報告

次のいずれかに当てはまる場合は、承認者が単独で決めず、個人情報担当や法務などに相談すると決めておくと安心です。

  • 個人が特定できる記述が本文にある
  • 他社・他人への批判や評価が含まれる
  • 既存の著作物との類似を自分たちで判断できない

承認者が残す確認記録のひな形

そのままコピーして使えます。右側の記入例は、すべて説明用の架空の値です。

【AI生成物 公開前承認記録】
承認ID:            (例) PUB-2026-0001
対象:              (例) 新サービス紹介ブログ記事「サンプル記事」
公開先・予定日:    (例) 自社サイト / 2026-11-05
作成者:            (例) 作成担当A
承認者:            (例) 承認担当B(作成者とは別の人)
AI利用:            (例) 文章案の作成に生成AIを使用。ツール名・利用日: ____
入力した情報の概要: (例) 公開済みの製品説明のみ。個人情報・社内文書は入力せず
根拠資料:          (例) 製品仕様ページURL ____ / 価格表(2026-10-xx時点)

■ 10項目の確認(○ 問題なし / △ 修正後に確認 / × 問題あり / − 該当なし)
 1 個人情報 [ ]    2 非公開情報 [ ]   3 事実・数値・日付 [ ]
 4 出典・リンク [ ] 5 人物・団体 [ ]   6 既存著作物との類似 [ ]
 7 混入物 [ ]      8 断定・約束表現 [ ] 9 公開先と権限 [ ]
10 AI利用の記録 [ ]

■ 承認者が自分で確認した箇所(抜き取り)
 (例) 出典3件のURLを開き、数値が一致することを確認。先頭と末尾に前置きの残りなし

■ 判断:  承認 / 条件付き承認 / 差し戻し / 公開不可
■ 条件・指摘事項: ____
■ 相談した相手(必要な場合): ____
■ 承認日時: ____
■ 公開後に誤りが見つかった場合の連絡先: ____

記録で大事なのは「抜き取りで自分が何を確認したか」の欄です。ここが空だと、承認が形だけだったのか、確認したのか後から分かりません。

公開後に誤りが見つかったら

承認を通しても誤りはゼロになりません。公開後に見つかった場合に備え、次の3点を先に決めておきます。

  1. 誰が訂正・非公開の判断をするか(承認者と同じ人でなくてよい)
  2. 訂正の履歴を本文に残すか、どこに記録するか
  3. 元の承認記録に、見落とした項目と理由を追記する

特に3は、次回のチェック項目を見直す材料になります。たとえば混入物が原因なら、項目7に「文頭・文末の確認」を明記する、といった改善に使えます。

出典・参考資料