マガジン

問い合わせ管理をノーコードで作る:ステータスと対応期限の台帳設計

AIを使いこなす

Claudeで執筆し、GPTで自動校閲・修正しています。

ノートの問い合わせ一覧に次の対応日を記入する手元
記事の内容をもとに制作したAI生成イメージです。実際の製品画面や検証結果の写真ではありません。

対応漏れを防ぐ台帳の答えは、次の2点です。 • ステータスは「次に誰が動くか」で分けた6つ前後にする。 • 期限は「次回アクション日」という1列に集約し、完了以外の行では必ず埋める。 「対応中」のような曖昧な状態を1つだけ置くと、返信待ちの案件も着手前の案件も同じに見えて、放置されます。この記事では、そのまま写せるステータス定義表と列構成サンプル、期限切れを見つける判定式、AIに設計を手伝わせる依頼文を順に示します。 以下の表や数式は、すべて「説明用の例」です。私が実際の画面で動かして確かめた結果ではありません。自分のシートに入れたら、ダミーの行で動きを試してから使い始めてください。

この記事の目次
  1. 先に決めること:台帳が答えるべき問い
  2. ステータス定義表(説明用の例)
  3. 列構成サンプル
  4. 期限の列を2つに分ける理由
  5. 入力ミスを減らす設定
  6. AIに任せる部分と、人が決める部分
  7. 運用を始める手順

先に決めること:台帳が答えるべき問い

台帳の列は、毎朝次の3つに答えられれば足ります。

  1. 今日までに動くべき案件はどれか
  2. 期限を過ぎている案件はどれか
  3. 誰かの返事を待っているだけの案件はどれか

この3つに関係しない列(たとえば細かい分類を10段階にするなど)は、最初は作りません。入力が面倒になると、更新が止まり、台帳そのものが対応漏れの原因になります。

ステータス定義表(説明用の例)

ポイントは、各ステータスに「入る条件」と「次に動く人」を書いておくことです。定義が曖昧だと、人によって使い分けがぶれます。

  • 新規、入る条件:受付したが誰も着手していない、次に動く人:担当者を決める人、次回アクション日の意味:初回返信期限
  • 対応中、入る条件:担当者が調査・回答作成をしている、次に動く人:担当者、次回アクション日の意味:回答を出す予定日
  • 社内確認待ち、入る条件:他部署や上長の判断が必要、次に動く人:確認先の人、次回アクション日の意味:確認の催促日
  • 相手返信待ち、入る条件:こちらが返信済みで、相手の返事を待つ、次に動く人:問い合わせた本人、次回アクション日の意味:再連絡する日
  • 完了、入る条件:回答し、相手の確認もしくは一定期間の無反応を確認した、次に動く人:なし、次回アクション日の意味:空欄
  • 対応不要、入る条件:迷惑メールや重複など、次に動く人:なし、次回アクション日の意味:空欄

「相手返信待ち」を独立させるのが大事です。ここを「対応中」に混ぜると、相手が返さない案件がずっと「対応中」に残り、本当に手を動かすべき案件が埋もれます。また、「完了」にする条件を決めておかないと、返信した時点で閉じてしまう人と、相手の確認まで待つ人が混在します。

列構成サンプル

次の16列が、小規模なチームの出発点です。A〜P列は、以下の表の順に並べたものとして、後の数式で使います。

  • A、列名:受付ID、型・入力方法:テキスト(例:Q-0001)、必須:○、備考:連番。重複させない
  • B、列名:受付日、型・入力方法:日付、必須:○、備考:新規行では当日を入れる
  • C、列名:経路、型・入力方法:プルダウン(メール/フォーム/電話)、必須:○、備考:経路別の漏れを見るため
  • D、列名:件名、型・入力方法:テキスト、必須:○、備考:一目で内容が分かる短さ
  • E、列名:要約、型・入力方法:テキスト、必須:○、備考:1〜2文。全文は貼らない
  • F、列名:カテゴリ、型・入力方法:プルダウン、必須:○、備考:最初は5個以内
  • G、列名:優先度、型・入力方法:プルダウン(高/通常)、必須:○、備考:2段階で十分
  • H、列名:ステータス、型・入力方法:プルダウン(上の6つ)、必須:○、備考:自由入力を禁止する
  • I、列名:担当者、型・入力方法:プルダウン、必須:○、備考:「新規」でも仮担当を入れる
  • J、列名:初回返信期限、型・入力方法:日付、必須:○、備考:受付日+社内で決めた日数
  • K、列名:初回返信日、型・入力方法:日付、必須:、備考:返信したら入力
  • L、列名:次回アクション日、型・入力方法:日付、必須:完了系以外は○、備考:判定の中心になる列
  • M、列名:完了日、型・入力方法:日付、必須:、備考:完了系にしたとき入力
  • N、列名:最終更新日、型・入力方法:日付、必須:○、備考:手入力かAppSheetの自動値
  • O、列名:元の記録へのリンク、型・入力方法:URL、必須:、備考:連絡先は台帳に直接書かない
  • P、列名:要対応判定、型・入力方法:数式(入力しない)、必須:、備考:下で説明

連絡先や問い合わせ全文を台帳に写さず、元のメールやフォーム回答へのリンクだけを持たせる設計にすると、台帳を共有する範囲を広げても扱う個人情報が増えません。これは公的な基準ではなく、運用上の提案です。

期限の列を2つに分ける理由

期限系の列は3つありますが、役割が違います。

  • 初回返信期限(J)と初回返信日(K):最初の返信が間に合ったかを後から振り返る記録用です。
  • 次回アクション日(L):毎日の判定に使う列です。

「新規」のときは、Lに初回返信期限と同じ日付を入れます。返信後に「相手返信待ち」へ変えるときは、Lを「再連絡する日」に書き換えます。Lを更新せずにステータスだけ変える、というのが漏れの典型なので、運用ルールは「ステータスを変えたら、必ずLも見直す」の1本にします。

要対応判定の数式(説明用の例)

P2セルに入れ、下の行へコピーする想定です。

=IF(OR(H2="完了",H2="対応不要"),"",
 IF(L2="","期限未設定",
 IF(L2<TODAY(),"期限超過",
 IF(L2=TODAY(),"本日",""))))

完了系は空欄、期限の入れ忘れは「期限未設定」、過ぎていれば「期限超過」、当日なら「本日」と表示します。毎朝Pの空欄以外を絞り込み、Lの昇順に並べれば、その日にやることの一覧になります。

入力ミスを減らす設定

スプレッドシートの場合

Googleスプレッドシートのプルダウンは、選択肢を範囲で指定する方法と、直接入力する方法があります。無効なデータが入力されたときに、警告を出すか拒否するかも選べます。手順の詳細はGoogleのヘルプにあります。ステータス列(H)は、定義表の6つを入れたうえで「拒否」にしておくと、表記ゆれ(「対応中」と「対応ちゅう」など)を防げます。

AppSheetの場合

AppSheetでは、列ごとに型、初期値、必須かどうかなどを設定できます(列プロパティの公式ヘルプ)。ここでの設計案は次のとおりです。

  • ステータス:Enum型にして6つを登録し、初期値を「新規」にする
  • 受付日:初期値にTODAY()を指定する。初期値は新しい行を作る時点で入る値で、TODAY()やNOW()などの式が使えます(初期値のヘルプ)
  • 担当者、カテゴリ、優先度:Required(必須)にする

AppSheetの初期値は、新しい行を追加するときにだけ計算され、既存行の更新では計算されません(公式ヘルプ)。そのため、更新日などを自動で書き換えたい場合は、別の仕組みを使う必要があります。今回は最終更新日(N)を手入力でも成立する列として設計しています。

AIに任せる部分と、人が決める部分

AIには、自分の業務に合わせた定義表のたたき台づくりと、抜けの点検を頼めます。ただし「次にどう動くか」「何日で返すか」は業務の約束事なので、人が決めます。

依頼文のひな形

あなたは問い合わせ管理の設計を手伝う担当です。
次の条件で、台帳のステータス定義表を作ってください。

【業務の概要】(例)小さな通販店。問い合わせはメールとフォームで週20件程度
【担当者の人数】2人
【初回返信の目標】受付から2営業日以内
【使うツール】Googleスプレッドシート
【今の困りごと】返信済みの案件が「対応中」に残り、本当に未対応のものが見えない

出力は表で、列は「ステータス名/入る条件/次に動く人/次回アクション日の意味」。
ステータスは6個以内にしてください。
最後に、状態の取り違えが起きそうな箇所を3点挙げてください。

実在のお客様の氏名、連絡先、注文番号などは貼らず、「Aさん」「注文番号XXXX」のように置き換えて相談してください。

返ってきた案を人が確認する点

  1. 「入る条件」が、見た人によって解釈が分かれない書き方か
  2. 「次に動く人」が、ステータス1つにつき1人(または1役割)に決まっているか
  3. 完了条件が、自分たちの運用と合っているか(AIの案は一般論になりがちです)
  4. ステータスが7個以上に増えていないか

運用を始める手順

  1. 上の列構成をシートの1行目に写し、H列などにプルダウンを設定する
  2. ダミーの問い合わせを5件入れ、期限が昨日、今日、明日の行を作ってPの表示を確認する
  3. 実際の運用では、毎朝1回Pの空欄以外を絞り込み、Lの昇順で見る
  4. 2週間ほど使って、使われないステータスや列があれば削る

3の毎朝の確認を誰がやるかを決めておくことが、仕組みと同じくらい重要です。台帳を作っても、見る人が決まっていなければ漏れは減りません。

出典・参考資料