訴求案を比べる前のメッセージテスト:5秒で伝わるかを小さく確かめる手順
AIを使いこなすClaudeで執筆し、GPTで自動校閲・修正しています。

結論から言うと、5秒で伝わるかは、少人数に画面を5秒だけ見せて、隠したあとに「何のサービスか」「誰向けか」「覚えている言葉は何か」を答えてもらえば確かめられます。人数は1案あたり5〜8人程度から始めるのが現実的です(編集上の目安で、統計的な根拠のある数字ではありません)。 この方法で分かるのは、案の優劣ではなく伝わり方のずれです。「何のサービスか分からない」「想定と違う相手向けだと受け取られた」といった読み違いを、本番のABテストにお金と時間をかける前に見つけられます。勝ち負けの判定は、その後の本番テストの役割です。 この記事では、そのまま使える台本、記録シート、結果の判断表を示します。例はすべて「説明用の例」で、実際に行ったテストの結果ではありません。
このテストで分かること、分からないこと
- 何のサービスだと受け取られたか、分からないこと:どちらの案がクリックや申込みを多く得るか
- 想定した相手に向けた言葉に見えたか、分からないこと:少人数の回答が市場全体を代表するか
- 最初に目に入り、記憶に残った言葉、分からないこと:5秒後に読み進めたときの納得感
- 造語や専門語で引っかかる箇所、分からないこと:表現が法的に問題ないか
5人前後の回答では、割合を出しても意味は薄くなります。「5人中3人が〜」と数えるより、誰がどう誤読したかの原文を見るのが向いています。
準備:案は2〜3つに絞り、「伝えたいこと」を一文で決める
テストの前に決めておくのは次の4点です。
- 見せる画面:LPのファーストビュー(スクロールせずに見える範囲)、広告バナー、メール件名など、1画面で完結する単位にします。スマホで見られる想定なら、スマホ幅の画像にします。
- 案の数:2〜3案までです。差分は見出しなど1か所に寄せると、ずれの原因を特定しやすくなります。
- 伝えたいこと(正解の基準):「誰が・何を・どうできる」を一文にします。後で回答を採点するときの物差しになります。
- 参加者:想定顧客に近い人。社内の人しか集められない場合は、そのサービスを使ったことがない部署の人に限り、記録に「社内」と残します。
AIに任せる部分と人が決める部分
案の文面づくりと質問文の整理はAIに手伝わせられますが、「伝えたいこと」の一文と、どの案を残すかは人が決めます。商品の事実(価格、効果、実績)は、あなたが渡した範囲だけを使わせてください。
AIへの依頼文の例です。
あなたはBtoC向けのコピーライティングの補助役です。
以下の「事実」だけを使い、LPの見出し案を3つ作ってください。
事実にない数字・実績・効果は書かないでください。
【事実】説明用の例
- サービス:家計ノートアプリ「まとめ買いメモ」(架空)
- 機能:買い物リストから、週ごとの食費を自動で集計する
- 想定する人:一人暮らしで食費を把握したい社会人
- 伝えたいこと:買い物メモを書くだけで週の食費が分かる
【出力形式】
案A(機能を直接述べる)/案B(悩みから入る)/案C(ベネフィットから入る)
それぞれ見出し25字以内、補足1文。出てきた案は、そのまま使わず次の点を人が確認します。
- 事実にない効果や数字が入り込んでいないか
- 「業界No.1」「他社の2倍」など、根拠が要る表現になっていないか(後述)
- 伝えたいことの一文とずれていないか
簡易テスト台本
1人あたり5〜10分で終わる想定です。対面でもビデオ通話でも使えます。
冒頭の説明(読み上げ用)
「これから画面を5秒だけお見せして、すぐに隠します。あなたを評価するものではなく、画面の分かりやすさを確かめるものです。正解はありません。見えたまま、覚えているままをお答えください。回答は個別に特定されない形で、画面改善の検討にだけ使います。」
最後の一文は、回答を何に使うかを事前に伝えるためのものです。個人情報保護委員会の医療・介護関係事業者向けQ&Aでは、個人情報の取得・利用に関する取組の例として、利用目的を特定してその範囲内で利用し、利用目的を通知または公表することが挙げられています(個人情報保護委員会のQ&A)。氏名や連絡先を記録するなら、その目的も合わせて伝えてください。個別の適用判断は社内の担当者や専門家に確認するのが安全です。
見せ方のルール
- 画面は5秒(タイマーを使用)。読み上げや説明を足さない。
- 1人に見せる案は1つ。同じ人に複数案を見せると、後の案が前の案の影響を受けます。案ごとに別の人を割り当て、案の割り当ては交互にします。
- 画面共有なら、ほかのタブや通知が映らないよう整えておく。
質問(この順番で、見返しなし)
- Q1、質問:何のサービス(商品)だと思いましたか?、狙い:内容の理解
- Q2、質問:どんな人向けだと思いましたか?、狙い:対象の伝わり方
- Q3、質問:覚えている言葉やフレーズを、思い出せるだけ教えてください、狙い:目に入った訴求
- Q4、質問:ここで何ができそうだと思いましたか?、狙い:次の行動の想像
- Q5、質問:分かりにくい、または引っかかった言葉はありましたか?、狙い:語句の問題
Q1〜Q3は見返さずに答えてもらいます。Q5だけは、希望があれば画面を再表示して構いません。回答に詰まったときは「分からなければ分からないで大丈夫です」と伝え、ヒントは出しません。
記録シート
スプレッドシートで、参加者1人を1行にします。回答は要約せず、言われた言葉のまま残します。
- 参加者ID、入れる内容:氏名ではなく記号、記入例(説明用の例):A1、B3
- 案、入れる内容:見せた案、記入例(説明用の例):案B
- 属性、入れる内容:想定顧客に近いか、既知か、記入例(説明用の例):想定近い/初見
- Q1、入れる内容:回答の原文、記入例(説明用の例):「家計簿アプリですか?」
- Q2、入れる内容:回答の原文、記入例(説明用の例):「節約したい人」
- Q3、入れる内容:回答の原文、記入例(説明用の例):「食費」「ムダ」
- Q4、入れる内容:回答の原文、記入例(説明用の例):「支出を入力する」
- Q5、入れる内容:回答の原文、記入例(説明用の例):「“まとめ買い”の意味が不明」
- 判定、入れる内容:○/△/×、記入例(説明用の例):△
- メモ、入れる内容:気づき、記入例(説明用の例):買い物リストの機能が出てこない
判定は、準備で決めた「伝えたいことの一文」を基準にします。
- ○:Q1またはQ4の回答が、伝えたいことと同じ内容
- △:近いが、重要な要素が欠けている
- ×:別のものと受け取っている、または答えられない
記録のAI整理に使う依頼文
回答がたまったら、分類の下書きをAIに任せられます。氏名や連絡先は消してから渡します。社外秘の情報も同様に伏せるか、説明用の表現に置き換えてください。入力した内容を学習に使わせない設定と、社外へ出してよい情報かどうかは別の問題なので、後者は社内ルールで確認します。
以下はメッセージテストの記録です(案ごとに数名分)。
伝えたいこと:「買い物メモを書くだけで週の食費が分かる」
やってほしいこと:
1. 案ごとに、Q1の回答を「伝えたいことと同じ/近い/別物/不明」に分類する
2. Q5で挙がった引っかかりの言葉を、案ごとに列挙する
3. 分類の根拠になった回答の原文を、必ず併記する
守ること:
- 記録にない推測は書かない
- 人数の多少で結論を断定しない
- 分類に迷った回答は「判断保留」として別に出す
【記録】
(ここに表を貼る)AIの分類は下書きです。原文と見比べ、分類の根拠が実際の回答に存在するかを人が必ず確認します。
結果の読み方メモ
次の判断表で、観察された状況から次の動きを決めます。
- Q1で「別物」「不明」が複数人、考えられる原因:見出しが比喩や造語で、対象物が分からない、次の動き:何であるかを示す名詞を見出しの先頭に出した案に書き換える
- Q1は合うが、Q2で想定外の相手向けと受け取られた、考えられる原因:対象を示す語がない、または画像が別の層を連想させる、次の動き:対象を示す語を足す。画像も見直す
- Q3で覚えた言葉が、伝えたい訴求と別(価格、キャンペーン名など)、考えられる原因:目立つ位置に別の要素がある、次の動き:見た目の強弱を調整して再テスト
- Q5で同じ言葉が複数人から挙がった、考えられる原因:その言葉が専門的、または多義的、次の動き:平易な語に置き換える
- 案ごとの○が同程度、考えられる原因:案の差が小さい、次の動き:差が大きい案を作り直す。または本番ABテストで確かめる
- 1人だけが誤読した、考えられる原因:個人差の可能性、次の動き:属性を確認し、保留にして追加で数人に見せる
- 案Aは○が多いが、Q5の引っかかりも多い、考えられる原因:伝わるが読みにくい箇所がある、次の動き:引っかかりを直した上で本番候補に残す
見るべき順番は、Q1(何か)→Q2(誰向けか)→Q3(目立つもの)→Q5(引っかかり)です。Q1がずれているなら、ほかの質問の良し悪しを議論しても意味が薄くなります。
「○が多い案が勝ち」と決めるのも避けてください。少人数のテストで分かるのは、誤読の原因が残っている案を本番に出さないための足切りです。最終的な勝敗は、本番のABテストで、十分なアクセスを得たうえで確かめます。
本番に進める前に確認すること
メッセージテストで「伝わった」とされた表現でも、訴求の内容が事実と合っているかは別の確認です。消費者庁は、商品やサービスの品質などを実際より著しく優良に見せる優良誤認表示や、取引条件を実際より著しく有利に見せる有利誤認表示を景品表示法で禁止していると説明しています。また、効果や性能に関する表示については、消費者庁長官が合理的な根拠を示す資料の提出を求めることができ、資料が提出されない場合などに不当表示とみなされる仕組み(不実証広告規制)があります(消費者庁「表示規制の概要」)。
本番に出す前に、次を確認してください。
- 「◯%向上」「No.1」「他社の2倍」など数字や比較の入った訴求に、裏付け資料があるか
- 期間限定や割引の条件が、実際の条件と一致しているか
- 記録した回答の取り扱い(保管場所、削除時期)が、冒頭で伝えた目的と合っているか
個別の表現が適法かどうかは、この記事では判断できません。判断が必要な案は、法務担当者や専門家に確認してください。

