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AIは文字数や計算、日付をなぜ間違えるのか:苦手な作業と安全な頼み方

AIを使いこなす

Claudeで執筆し、GPTで自動校閲・修正しています。

紙に書かれた計算と日付を電卓、カレンダーと照合している。
記事の内容をもとに制作したAI生成イメージです。実際の製品画面や検証結果の写真ではありません。

「400字以内で」と頼んだのに500字近く返ってきた。見積の合計が1円ずれていた。「今日から何日後か」の答えが違っていた。こうした間違いは、AIが雑に作業したからではなく、仕組みと頼み方の相性が悪いために起きることが多いです。 結論から言うと、チャット型のAIは「次に来る言葉(のかけら)」を予測して文章を作ります。文字や数字を一つずつ機械的に数える電卓やカウンターとは作りが違うため、数える・計算する・日付をたどる作業では、もっともらしい答えを出しつつ外すことがあります。対処の基本は2つです。数えさせず、必要な材料(日付や数字)を渡すこと。そして最後の数字は、文字数カウント機能や表計算などの確実な道具で確認することです。

この記事の目次
  1. AIが数えたり計算したりするのが苦手な理由
  2. 苦手な作業と対処法の対応表
  3. 文字数を確実に扱う頼み方の言い換え例
  4. 計算と日付を確実に扱う頼み方の言い換え例
  5. AIに任せる範囲と、人が確認する手順
  6. 覚えておきたいこと

AIが数えたり計算したりするのが苦手な理由

文字ではなく「トークン」で読んでいる

AIは文章を、単語や文字のかけらである「トークン」に区切って処理します。OpenAIの開発者向け資料は、トークンは1文字ほどの短さから1語ほどの長さまであり、英語なら1トークンが約4文字という目安を示しています(OpenAI API: Advanced usage)。つまりAIにとっての単位は「文字」ではありません。

しかもトークンの区切り方はモデルごとに違います。Anthropicの資料では、一部の新しいモデルのトークナイザーは同じ文章でも従来より約30%多いトークンになる場合があるとされ、増加率は内容によって異なります(Claude Platform Docs: Token counting)。「トークン数」と「文字数」は別物で、日本語の文字数とも自動では対応しません。

数える操作そのものが難しい、という研究もある

「strawberryにrはいくつ?」のような文字数えの失敗については、研究も出ています。arXivのプレプリント(Why Do Large Language Models (LLMs) Struggle to Count Letters?)は、8つの言語モデルを調べ、同じ文字が複数回出てくる場合に誤りが多く、個々の文字を認識できても合計で失敗しやすいと報告しています。著者は、調査したモデルでは数え上げの難しさが主な要因で、トークン化は根本的な要因ではないと述べています。これはプレプリントの報告であり、すべてのモデルに当てはまるとは限りません。

計算や日付は「道具があるか」で変わる

AIが自力で暗算のように答えるのと、プログラムを書いて実行するのとでは信頼性が違います。AnthropicのAPI向けコード実行ツールは、サンドボックス内でPythonやBashを動かし、計算やデータ分析をさせる機能です(Claude Platform Docs: Code execution tool)。ただしこれはAPIの機能の説明です。お使いのチャットアプリで同様の機能が使えるか、有効になっているかは、製品やプランごとに確認してください。

日付は事情がさらに単純で、AIが「今日」を知っているのは、アプリが現在日時を渡している場合などに限られます。渡されているかは製品次第なので、日付が絡む依頼では毎回日付を自分で書くのが確実です。

苦手な作業と対処法の対応表

  • 「◯字以内」の文章作成、起きやすい失敗:超過・不足、任せ方:目標範囲を幅で指定し、数えさせない、人(または道具)の確認:文字数カウント機能で数える
  • 文字・語の個数を数える、起きやすい失敗:数え間違い(特に同じ文字が複数回)、任せ方:一覧に分けて書き出させる、人(または道具)の確認:検索機能・LEN関数で数える
  • 複数桁の掛け算・長い足し算、起きやすい失敗:桁のずれ、途中の丸め、任せ方:計算式を書かせる/コード実行を使う、人(または道具)の確認:表計算か電卓で再計算
  • 税・割引・端数処理、起きやすい失敗:丸めのルール違い、任せ方:端数の処理ルールを指定する、人(または道具)の確認:請求書の規則と照合
  • 日数・曜日・期限の計算、起きやすい失敗:起点の取り違え、月末の数え間違い、任せ方:基準日と数え方(当日を含むか)を渡す、人(または道具)の確認:カレンダーや表計算で確認
  • 表の合計・集計、起きやすい失敗:行の見落とし、任せ方:元データを渡し、行ごとの式も出させる、人(または道具)の確認:SUM関数との一致を見る
  • 長い文章の分量判断、起きやすい失敗:「だいたい」でずれる、任せ方:段落数・項目数で指定、人(または道具)の確認:実物を見て確認

文字数を確実に扱う頼み方の言い換え例

文字数の指定は、AIにとって最も数えにくい種類の依頼です。以下は説明用の例で、実際に実行して効果を測ったものではありません。

言い換え前

この紹介文をちょうど200字にしてください。

言い換え後

この紹介文を、180〜220字の範囲を目安に書き直してください。文字数は私が別のツールで数えます。あなたは文字数を数えず、文を3つに分け、各文をおおよそ同じ長さにしてください。超過していたら、削る候補の文を教えてください。

ポイントは3つです。

  1. ぴったりではなく幅で頼む。 「ちょうど」はAIが最も外しやすい指定です。
  2. 段落・文・項目の数で構造を縛る。 「3文」「箇条書き4つ」は、文字数より守られやすい指定です(文の数も100%とは限らないので見て確認します)。
  3. 数えるのは人が道具で行う。 ツールごとに、改行・空白・絵文字を数えに含めるかが異なることがあります。提出先の規則(空白を含むか)に合う方法で数えてください。

調整が必要になったら、次のように返します。

先ほどの文章は、カウントしたところ260字でした。目標は220字以内です。内容の優先順位は「価格」「対象者」「特徴」の順です。優先度の低い部分から削って、再提案してください。

AIの自己申告の文字数ではなく、自分で測った数字を渡して直させるやり方です。

計算と日付を確実に扱う頼み方の言い換え例

計算:材料と式を出させる

以下の数字は説明用の架空の例です。

言い換え前

1個12,800円を3個と送料880円で、税込いくら?

言い換え後

次の条件で金額を計算してください。・単価12,800円×3個・送料880円(税込として扱う)・商品代金のみ10%の消費税を加算・1円未満は切り捨て途中式を1行ずつ書き、最後に合計だけをもう一度示してください。

こう頼むと、途中のどこで間違えたかを人が追えます。この説明用の架空例では、商品代金38,400円にその10%の消費税3,840円を加え、送料880円を足すと、合計は43,120円です(税の扱いを変えると答えは変わるので、条件の明記が欠かせません)。

コード実行などの計算機能が使える環境なら、さらにこう付け足せます。

計算は暗算せず、計算機能(コード実行)を使って結果を出してください。使えない場合は、使えないと先に言ってください。

「使えない場合はそう言って」と添えるのは重要です。そうしないと、道具を使っていないのに使ったかのような答えが返ることがあります。使ったかどうかは、画面にコードや実行の表示が出ているかで確認してください。

日付:基準日と数え方を渡す

言い換え前

年度末まであと何日?

言い換え後

基準日は2026年10月27日(火)です。2027年3月31日までの日数を、基準日の当日を含めない数え方で求めてください。月ごとの日数を分けて書き、最後に2027年3月31日の曜日も示してください。

説明用の例として、基準日当日を含めずに手計算すると、10月28日から31日までの4日、11月30日、12月31日、1月31日、2月28日、3月31日の合計は155日です。2026年10月27日の155日後は2027年3月31日で、水曜日です。AIの答えとこうして突き合わせると、起点の取り違えに気づけます。

日付では特に次の指定を省かないでください。

  • 基準日(今日の日付を書く)
  • 当日を含めるか
  • 休日・祝日・営業日を除くか(祝日は年ごとに変わることがあるため、一覧を渡すか公的な資料で確認する)
  • 西暦か和暦か

AIに任せる範囲と、人が確認する手順

作業を3つに分けると迷いません。

  1. AIに任せる:言い回しの調整、計算式の組み立て、データの整形、確認用の関数や手順の提案。
  2. 人が渡す:基準日、元の数字、端数や丸めのルール、文字数の数え方(空白を含むか)。
  3. 道具で確認する:文字数は文字数カウント、合計や日数は表計算や電卓。

表計算で確認するなら、文字数は =LEN(A1)、日数は終了日のセルから開始日のセルを引く式(=B1-A1)が基本です。この2つの式の細かな挙動(絵文字の数え方など)は、使うソフトで確認してください。ここに挙げた式はこの記事では実行していません。

数字が合わないときは、次の順で見ます。

  • AIの答えに途中式があるか。なければ、途中式つきで出し直させる。
  • 条件の取り違え(税込か税抜か、当日を含むか)。条件を書き足して再依頼する。
  • それでも合わなければ、AIの数字は使わず、道具で出した数字を採用する。

請求書や申請書など、金額や期日が結果に直結する書類は、AIが出した数字を最後に必ず自分で確かめてから使うのが安全です。

覚えておきたいこと

AIは文章の整え役としては頼れますが、数える役には向きません。「数えさせない」「条件を渡す」「道具で確かめる」の3点を依頼文に組み込んでおけば、文字数・計算・日付の間違いの大半は、提出前に見つけられます。

出典・参考資料