遠くの友達と対局して、通話で振り返る
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遠くに住む友達と「潮目のオセロ」か「灯りのチェス」でオンライン対局を終えた場面を考えてみます。勝ったほうも負けたほうも、「あの手はどうだったのか」と話したくなります。ところが同じ机を囲んでいないので、盤を指さして「ここ」と言えません。対面の感想戦なら一瞬で済む「その石です」「そのビショップです」が、声だけだと通じにくくなります。 この記事が確かめるのは、離れた相手との感想戦を、盤を共有せずに実のある会話にする方法です。鍵は、話す前の準備と、話す順番の決め方にあります。通話の巧さよりも、対局前後の段取りが効きます。 なお、アソバースにはフレンド機能もチャット機能もありません。通話は、普段使っている通話アプリや電話など、アソバースの外にある手段で行う前提で進めます。
離れた感想戦でいちばん困ること
困りごとは大きく三つあります。
- 同じ局面を指し示せない。
- 二人の画面の見え方が同じとは限らない。
- 盤の記憶が、終局から時間がたつほど薄れていく。
一つ目は、言葉で場所を表す約束事を決めておけば解決します。二つ目は、特に「灯りのチェス」で意識したい点です。この作品のオンライン対局では、黒側の盤面は反転して表示されます。白の人が「画面の下のほうのナイト」と言い、黒の人の画面では同じ駒が上にある、ということが起こります。「上」「下」「手前」「奥」で話すと、すれ違いの原因になります。
三つ目は、時間との勝負です。オンライン対戦の部屋は24時間、部屋と対戦履歴は作成から7日後に削除対象になります。振り返りを先延ばしにするほど、見返せる材料が減る可能性があります。履歴にどこまで残るか、どう見返せるかは、現在の案内で確認してください。
対局の前に決めておく三つのこと
対局を始める前、招待リンクを送る時点で、次の三つを決めておくと後が楽になります。
- 場所の呼び方。盤の位置をどう言うかを決めます。
- 振り返りの時間。いつ、何分話すかを決めます。
- 記録の担当。誰が何を書き留めるかを決めます。
場所の呼び方
チェスなら、列をa〜h、段を1〜8で呼ぶ、いわゆる座標で話すのが確実です。白の側から見て左端の列がa、白の最前列が1段目です。画面の上下ではなく、この座標で言えば、反転した画面でも話がずれません。
オセロは、作品の画面に行や列の目印があるかどうかを、実際に作品を開いて確かめてください。目印がない場合は、「左上の角を1行1列として、行、列の順で数える」といった自前のルールを決めます。四隅は「左上の角」「右下の角」のように、角の名前で呼べます。
オセロの黒は先手です。「黒の自分」が見ている盤と相手の盤が同じ向きかどうかも、最初の一手を置く前に、お互いの言葉で確認しておくと安心です。
振り返りの時間
「終わったらそのまま15分だけ話す」とあらかじめ決めておきます。時間を区切っておくと、延々と全手順をなぞる事態を避けられます。長く話したくなったら、延長するかどうかをその場で決めます。
記録の担当
二人とも同じ内容をメモすると重複します。たとえば、片方は「自分が迷った場面」、もう片方は「相手の手で驚いた場面」を担当すると、振り返りの材料が違う角度で集まります。
対局中に残す、短いメモ
感想戦の質は、対局中のメモでほぼ決まります。ただし、対局中に長文を書く余裕はありません。残すのは「何手目か」と「一言」だけで十分です。
- 「12手目、迷った」
- 「20手目、急に不利になった気がする」
- 「相手の15手目、意図が分からない」
手数は、自分の手を数えるのか、双方の手を通して数えるのかを事前に揃えておきます。ずれていると、通話で「12手目」と言っても別の局面を指すことになります。迷うなら「自分の何手目」と「相手の何手目」に分けて言うのが簡単です。
メモの種類は、次の三つに絞ると書きやすくなります。
- ?、意味:迷った・意味が分からない、通話での使い方:質問として出す
- !、意味:うまくいった・驚いた、通話での使い方:理由を聞く
- ✕、意味:後悔した、通話での使い方:代わりの案を考える
オセロの置けない手番は自動でパスになるので、パスが起きた手番を手数に含めるかどうかも決めておきます。含めるかどうかはどちらでもかまいません。二人で同じ数え方にしてあることが大切です。
「灯りのチェス」には取った駒の表示と全棋譜の表示があります。棋譜は終局後に見返す材料になるので、メモは「棋譜に書かれない部分」、つまり迷いや感情に集中させます。棋譜の表記形式は作品の画面で確認し、通話で読み上げるときの形式も合わせてください。
通話の15分:進行表
通話が始まったら、勝敗の話や感想戦への入り方で時間を使わないようにします。次の進行表は、あくまで一例です。二人の好みに合わせて調整してください。
- 最初の2分、やること:全体の印象、進め方:「どこが山場だったか」を一人ずつ一言で言う
- 次の10分、やること:取り上げる場面を最大3つ、進め方:先に迷った人が話し、相手が別の見方を足す
- 最後の3分、やること:次に試すことを決める、進め方:「次はこうしてみる」を一つずつ言う
場面は3つまで
取り上げる場面を3つに絞るのは、15分で話し切るためだけではありません。3つ以上は覚えきれず、結局どれも深まらないという理由もあります。メモの?・!・✕から、二人で重なっている手を優先します。両方が気にしていた場面は、最も話す価値があります。
1つの場面の話し方
一つの場面は、次の順で進めます。
- 場所を言う(「自分の12手目、盤の右下あたり」)。
- そのとき考えていたことを言う。
- 相手が、自分ならどう見えたかを言う。
- 別の手があったかを一緒に考える。
2番を先に言うのがコツです。結果から入ると、「あれは悪手だった」という採点の会話になりがちです。考えていたことを先に出せば、相手は理由を理解したうえで意見を言えます。
別の手を話すときも、「ここに置けばよかった」と言うだけでは、画面を見られない相手に伝わりません。「そこに置いたら、角のどちらが取れるか」「どの駒が動けなくなるか」のように、結果の見え方まで言葉にします。盤が見えない相手に説明すること自体が、自分の理解を整理する練習にもなります。
作品ごとの注意
潮目のオセロ
オンライン対局では、黒が先手です。置けない手番は自動でパスになるため、パスが入った場面は、本人が気づかないうちに流れていることがあります。メモに「パスが入った」と一言残しておくと、後で局面を振り返るときの目印になります。
再読み込みで同じ部屋に復帰できるので、通話中に画面が固まっても、慌てて部屋を作り直す必要はありません。ヒントと一手戻すはひとり対局専用なので、友達との対局中に使えないことは、対局前に伝えておくと誤解を防げます。
灯りのチェス
黒側の盤が反転する点は、先ほど触れたとおりです。通話では座標で話すと決めておけば、どちら側の画面でも通じます。
全棋譜の表示と、取った駒の表示があるので、終局後に「どの時点で駒の数が変わったか」を一緒に見直せます。キャスリング、アンパッサン、選択式の昇格など特殊な手が出た対局では、その手の名前を口に出しておくと、相手が棋譜と画面を結びつけやすくなります。
期限と、ひとり対局への持ち帰り
通話で出た疑問は、そのままにすると忘れます。最後の3分で決めた「次に試すこと」を、一人でも確かめられる形にしておきます。
ここで使えるのが、ひとり対局です。どちらの作品も3段階の相手と対局でき、ヒントと一手戻すが使えます。同じ局面を人工的に再現する方法は案内されていないので、通話で話した「似た形」が対局の中に現れたときに試す、という使い方になります。
- 「角を取らせる形になっていないか」を、返る石のプレビュー(オセロ)で確かめる。
- 「理由付きヒント」が提案する手と、自分の手を見比べる(オセロ)。
- 「駒の動き方ガイド」で、見落としていた動きがないかを確かめる(チェス)。
ヒントが常に最善とは限りません。結論ではなく、自分の考えと違ったときに「なぜ違うのか」を考えるきっかけとして使います。「ここが違った」と気づいたら、次の通話の話題にできます。
期限の面では、対局履歴や部屋は7日後に削除対象になります。大事な対局は、削除対象になる前に、メモと(チェスなら)棋譜の内容を手元に書き写しておきます。画面を閉じる前に写すのが確実です。履歴の表示内容や見返し方は、現在の案内で確認してください。
次の行動
次に友達と対局するときは、招待リンクを送る前に「場所の呼び方」「通話の時間」「メモの担当」の三つを決めてください。対局中は手数と一言だけをメモし、終わったらその場で15分の通話に入ります。取り上げるのは3場面までです。やってみて合わなかった部分は、次の対局前に調整すれば、二人なりの進め方が少しずつできていきます。



